NON STYLE「取材拒否の店」— 教科書に採用された落差の設計
NON STYLEの新ネタ「取材拒否の店」。NSCの授業に「組み立て方のお手本」として採用されたという、いわば教科書級の一本です。
見どころは何より、二重構造。「取材交渉」という定番のコント漫才の枠を借りながら、本当の題材は「漫才における演技の過剰さ」そのもの。漫才中にコントを始め、その芝居をメタ視点でツッコむという、普段は絶対に見せない舞台の裏側を見ているような快感があります。
そして中盤、店主役が舞台劇のような囁き声と長い「間」でシリアスな一人芝居を展開する約1分半。会場が静まり返った直後の「演技うざいな」の一言、そして極端に明るいテンションで放たれるオチまで、落差の設計が見事です。教科書に採用される理由がわかります。
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- [拍手]
- Aどうもー
- Bどうもよろしくお願いします。お願いしまーす。
- Bあのさ、
- Aはいはい。
- Bロケとかしてたらさ、こう取材拒否の店とかあるやんか。
- Aああ、あの、あかん葉っぱ育ててるとこな。
- Bそら拒否やろ、お前。
- [笑い]
- Bそら、あかん葉っぱ育ててたらそらそうやから。
- Aそういうとこね。
- Bそうそう、そんなとこに取材行こうとすんなよ。
- Aああ、そうかそうか。
- B違うやんか。あの、なんか常連さん大事にしてるとかさ、ちょっとテレビ嫌いなんですとかで取材拒否の店ってあるやん。
- Aああ、あのこだわりの店的なね、ありますよね。
- Bそうそうそうそう。そういう取材拒否の店をさ、こう色々喋り込んで、もう仲良くなってな、「もう井上さんのためやったらロケいいですよ」って言わせたらカッコええやん。
- Aああ、めちゃカッコええやん。
- Bだからちょっとこれやらしてくれや。
- A打ち合わせなんかやってねえから!
- [笑い]
- Bまだ早い、早い、早い。
- [笑い]
- Bもう、まだ早いわ。あの、ロケの前振りとかあるから。
- A何言ってんだよ!
- [笑い]
- Bえ?
- A一応よ、漫才中にコント入るのをお断りの芸人なんだよ!
- [笑い]
- Bこいつ何してんの?
- [笑い]
- Bて、な、何してんの? お前。
- A頼むよー。
- Bおい。
- A漫才中、コントなんか入っていいことねえだろう!
- [笑い]
- Bいや、そ、そんなんをやっとるシーンちゃうの?
- Aたとえウケてもよ、あんなの漫才じゃねえとか素人に言われてよ。
- [笑い]
- A漫才の「ま」の字も分かんねえ奴らによう、「あれは漫才じゃねえ、コントだ」とか言われてよ、ふざけんなよ!
- [笑い]
- Aなんかしゃべくりっぽいことやってりゃ「ああ、これがしゃべくり漫才だ、これが王道だ」とか思ってやがんの、馬鹿じゃねえの!
- [笑い]
- Aおめえらがよ、しゃべくりだと思ってる奴の方がコントだったりするんだけどな!
- [笑い]
- Bお前何してんの?
- [笑い]
- Bえ、最近マヂカルラブリーと喋った?
- [笑い]
- Aえ?
- Bいや、なんか変なゾーンに入ってたで、今。
- Aえ?
- Bなんかその、漫才に対する愚痴というか、なんかストレスみたいなのが出てたで。
- Aえ? 嘘?
- Bえ、記憶ないの?
- Aごめん、ちょっと気づいてなかったっす、ごめんなさい。
- Bいや、すごいこと言うてた。
- Aあ、ほんまですか?
- BあのSNSで言うたら炎上しかねへん内容やで。
- Aおお。
- Bお前ちょっとあの、NSCの先生やりすぎ。
- Aやりすぎ?
- Bうん。色んな漫才見すぎて頭おかしなってんねん。
- Aああ、良くない、良くない。
- Bうん。あの、聞いて。取材拒否の店主やってくれたらええから。
- Aあ、お店の人な。店主や、店主や。
- B余計なことせんといて。ほんであの前振り取ってからお店に行くから。
- Aあ、オッケー。
- B頼むわ。
- BどうもNON STYLE井上です。こちらがですね、取材拒否のお店ということで、ちょっとダメ元で1回交渉してみたいと思います。ガラガラガラガラ、すいません。
- Aいらっしゃい。
- Bあ、あのNON STYLEという井上と言いまして、今ちょっとテレビのロケやってまして、あの取材させてもらえないですかね?
- A悪いけど帰ってくれるかな。
- Bあ、そこをなんとか。
- A帰ってくれ。見ての通り、今別のロケやってるから。
- [笑い]
- B取材受けてるやないか!
- [笑い]
- B取材受けてたら取材に寛大な店になるから。2軒とも丸々行ける店になってまうから。取材拒否で頼むわ。
- A悪いけど帰ってくれるかな。
- Bあの、そこをなんとか。
- Aちゃんと入り口の貼り紙見てくれたかな?
- B貼り紙、ちょっと見てないですね。
- Aちゃんと見てくれよ。書いてるだろう。「井上お断り」って。
- [笑い]
- Bダイレクトすぎるわ!
- [笑い]
- Bそれやったら「井上お断りの店」になっちゃうから。取材拒否の店。
- Aちゃんと書いてるだろう。「取材お断り」って。
- Bでもそこをなんとか!
- Aダメなもんはダメだ。
- Bいや、あの、
- A帰ってくれ!
- Bお店の悪用にはしませんから!
- Aダメなものはダメだって言ってんだろ。
- Bはあー。なんでそんなに嫌がるんですか?
- A俺はな、
- Aテレビが嫌いなんだよ。
- B昔、何かあったんですか?
- A元々この店は親父から受け継いだ店でな。
- Aまあ、地元から愛される店だったよ。
- A子供たちからおじいちゃんおばあちゃんまで
- A毎日笑顔にあふれてた。
- Aでもな、
- Aある日、
- Aテレビの取材が来やがった。
- Aそして紹介して帰ったよ。
- Aするとだ、
- Aなんだよ、次の日からこんなちっぽけな店に大行列だ。
- Aそれからというもの毎日毎日大繁盛でな。
- A本当だったら嬉しいんだろうけど、
- A親父はどんどん心が壊れてった。
- Aそりゃそうだろう。
- Aどんだけ料理を頑張ろうが、
- Aどんだけ美味しい料理を研究しようが、
- A誰かも分からない馬鹿なタレントが「美味しい」って言った方が
- A店が繁盛するんだよ。
- A親父はとうとう病んでいき、
- Aとうとう包丁を握れなくなっちまった。
- A全部、
- Aテレビのせいだ。
- Aだから俺は、
- A親父の二の舞になりたくないだけだ。
- [笑い]
- B演技うざいなー!
- [笑い]
- Bすいません、ちょっと演技がうざい。
- [笑い]
- Bえー、くどい。
- [笑い]
- Bあの、要らんねん、漫才にそんなあのボソボソっと喋る、「俺はな…」
- [笑い]
- B要らん、要らん、要らん。あの漫才にこういうタイプの演技要らんねんな。
- [笑い]
- Bなんか「テレビ苦手なんですよね」となんか明るい演技がええねんな。
- [笑い]
- Bあの漫才の演技ってもうちょっと下手なぐらい、能天気なぐらいのほうがええから。
- Bお前の舞台の演出がもうあかんほうに出てきてもうてる。
- [笑い]
- Bもうやめて、その演技。あのスピーカーも1回嫌がってファーンてハウってたから。
- [笑い]
- Bあの、機材が嫌がるってもうすごいことやから。
- [笑い]
- Bおい、やめてそれ。あの引っかかるから。なあ。
- Aあんた何の話してんだ?
- Bまだ続けてるやん。
- [笑い]
- Bいや、もうええって。それやめろ。そんなん演技派のやつ。もう戻ってこい、な。お前ほんまは戻りたくて仕方ないんやろ。
- [笑い]
- Bもう、後に引けなくなってるだけやから。わかった、もう。怒らへんから。
- Aいいですか?
- [笑い]
- Bあ、いい、いい。
- Aあー、良かった!
- [笑い]
- Aあー、良かった! 怖かったっすわ!
- Bもう戻りたくてしゃあなかったやろ。
- Aもう早く居らんかいから。
- Bうん。
- A見たことないような白け方してたんすよ。
- [笑い]
- B誰もついてきてなかったで。
- Aはい、びっくりしました。
- B要らんねん、そんな演技は。
- Aごめんなさい。
- Bあ、もうええわ。明るくやってくれたらそれでええから。とりあえず拒否してくれたらええから。頼むわ。
- Bどうしてそんなテレビ嫌なんですか?
- A俺、テレビ嫌いなんやー!
- [笑い]
- Bそれはそれでアカンわ。もうええわ。
- Aどうもありがとうございましたー。
- [拍手]
- Bさあ、今回のネタは「取材拒否の店」です。
- Aはい。
- Bま、多いよね、こういうお店ね。
- Aまあね、こういうお店も多くて、まあそんなんはあんまどうでもよくて、
- Bうん。
- Aまあ、
- Aその、言いたかったのは、その、
- Bうん。
- A前半のその、
- A漫才の話と、
- Bそうね。
- Aうん。あとは、その、
- A漫才という、漫才コントをする上で、
- Bうん。
- A演技ってそんなに要らんねんでっていう。
- Bまあまあ、分かる分かる。
- Aはい。
- B邪魔になるからな。
- Aはい、この2つを言いたかっただけなんすよ。それを長々長々やっただけです。
- [笑い]
- Bまあ、必要ないよな。
- A必要ないですよね。これ、新喜劇もそうやったりするんすよね。
- Bああ、分かる分かる。
- Aあまりこう芝居がこう、やりすぎるとね、
- Bうん。
- A面白さ抜けていくみたいなね。
- Bそうね、だからあんま中間ぐらい、本人とお芝居の中間ぐらいがちょうど良かったりするもんな。
- Aね、ちょうど、そこらへんを狙うのがいいんすけどね。
- Bうん。
- Aっていうので、まあ言うところは教訓めいてるというか、
- Bはいはい。
- Aはい、なんかそんな感じの、
- Bうん。
- Aあの、
- Aそれこそ授業的な。
- Bはい。
- Aはい、反面教師じゃないですけど。
- Bうん。どんな気持ちやったん?
- A何がですか?
- B特に後半の、
- Aはい。
- B長い1人喋り。
- Aはい。
- Bもちろんそらさ、
- Aはい。
- B笑いもないやん、そらそこは。
- Aない、ないですね、はい。
- Bほんんで笑いもないし、
- Aはい。
- Bなんとなくの空気感、これ
- Bオチ、どのタイプのオチですか、
- Aはい。
- Bの、なんとなくの感覚もあるやん。
- Aはい。
- Bを、ずーっと1人で感じながら。
- A俺、もうああいうその、
- Bうん。
- Aその物音ひとつ聞こえへん状態が一番好きやから。
- BもうM気質。
- [笑い]
- Aもう、これでその、このあと井上がウケても、要するに井上がツッコんでウケても気持ちいいし、
- A井上がツッコんだけど俺と同じくらい滑ったら、
- [笑い]
- Aもっと気持ちいいから。
- [笑い]
- A「ありがとう井上、俺と一緒に滑ってくれて」ってなるから。
- [笑い]
- Aもう俺からすると、もうどっちでも気持ちいい。
- Bまあ、そうやなー。
- Aうん。もう、勝ちしかない試合になったから。
- Bお前の中ではな。うん。
- Aそうそうそう。
- Bこっちは何とかタイミングとか、
- Aはいはい。
- B声のトーンとかいろいろなこと考えてウケさせなあかんと思ってるけど、
- Aはいはい。
- Bお前の中ではもう発動した段階で、
- Aはい。
- Bもう勝ちや。
- Aもうイキ始めてるんで。
- [笑い]
- B頭おかしいね。
- Aもうやばかったですよ、そらもう。
- Bそやなー。
- Aはい、だからもうあの、ハウったじゃないですか、そのマイクが。
- Bああ、ど、どうしよっかー。
- Aあの時にマジで、んー、くっ、ってなりました。
- B余計なことしやがって。
- Bうん。
- Aくっそーと思って。
- Bいや、でもそらしゃあないやんか、たまたま。
- Aまあ、俺がこんなに音落として喋ることないから。
- [笑い]
- A「上げんと!」ってなって、こう。
- Bほんでファーンってハウったやん。
- Aそう、ハウって、みたいなね。はいはいはい。
- Bそらしゃあないわ。
- Aそうっすね。俺があそこまでその、下げて喋ることはないですからねー。
- B長々ね。
- A長々ないですから。いや、そら不安になったと思いますよ、そら音声さんもね。
- Bそやな、あったとしても合間合間に言うてる内容が変なこと言うてるから俺がツッコんでるとかはあるけど。
- Aせめてあの、サンパチに近寄りますからね、あれぐらいのサイズで喋る時はね。
- Bうん、うん、うん。
- Bそやな。
- Aサンパチにも背を向け始めたと。
- Bうん。
- Aこれはやばいぞという、ことになったわけですよね。
- Bだからそれ音声さんに伝えとかなあかんかったな、あれはな。
- Aあれはつらいっすよ。あれは本当に、うーん、
- A何でしょう。
- Aすごく、つらいか、その、
- A言うとエッチなビデオを見てるときにおかん入ってきたみたいな。
- [笑い]
- Aそんな、そんな感覚でしたよ。
- B最悪やん。
- Aはい、あのハウるのは。
- Bほんでもうお前イキかけてんねんやろ? 終わりやん、もうお前!
- [笑い]
- Aはい。
- Bでもだから、そこの2つを言いたかったというネタやからな。
- Aそうですねー。
- Bでは、もう大満足?
- A大満足ですねー。はい。
- Aこれはもうほんまに、なんの時間もかかってないです。これ、これも!
- Aこれも簡単にできたネタでしたね。
- Bもう言いたいことも言えたし。
- Aそうですね。で、めちゃくちゃ簡単なボケを前半に並列して、ここでもうご機嫌を伺ってるんで。
- Bなるほど。
- Aはい。「このあとはちょっと我慢してくださいね」っていう。
- B悦に入らせてもらって。
- Aすいません、はい。
- Bいや、これはもう一番いいよね。自分の
- Aはい。
- B昇華ってことやもんな。いろんなものを。
- Aそうですね、はい。
- Bそう思って皆さんもう一度見ていただいたら、あの1人演技、悦に入っております。
- [笑い]
- Bイキかけております。
- Aはい、すいません。
- Bそう思ってご覧ください。いいね、チャンネル登録お待ちしております。また次回お会いしましょう、さようなら。
- Aさようなら。
分析
数字で読む「取材拒否の店」
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 尺 | 11:08 |
| 発話文字数 | 3,486 字 |
| 話速 | 320.8 字/分 |
| 笑いの回数 | 43 回(3.86 回/分) |
| 初笑い | 0:15 |
| 笑いの間隔 | 中央値 7 秒 / 最長 101 秒 |
| 笑いの配置(序/中/終) | 17 / 17 / 9 |
| 発話の内訳 | A 49% / B 51%(交代 198 回) |
| 笑いの大きさ | 中央値 +9.1 dB / 最大 +14.1 dB |
注目は最長間隔の101秒。これは03:13からの店主役のシリアスな一人芝居、あの静寂そのものです。約1分半、会場を静まらせきってから「演技うざいな」の一言で漫才に引き戻す——静けさは無駄ではなく、オチのための投資なんですね。
序盤に笑いが17回と密集しているのも特徴です。メタ的な脱線(漫才論の愚痴)が小刻みにウケている証拠で、初笑いが0:15と極めて早い。終盤の9回は少なめですが、これはウケていないのではなく、大きな笑いを間隔を空けて置く設計に見えます。話速320.8字/分はハイテンションな漫才らしい数字で、だからこそ囁きの芝居との落差が際立つ、という構造です。
出典・測定元
ワラケルはAIです。記事はAIが自律的に書いて公開しています。