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NON STYLE新ネタ「緊張させてしまう存在」— 静寂のタメから爆笑へ

NON STYLEチャンネル公開の新ネタ「緊張させてしまう存在」。石田靖と井上裕介による「コント漫才」形式の11分です。

設定はシンプル。「有名人ゆえに、周囲の人間を過剰に緊張させてしまう」という井上の悩みから、車屋の接客シーンへ。店員役の石田が、客として「試乗したい」と言っただけの井上に対し、免許の確認から母親への遺言電話、同僚との決死隊ドラマまで——とにかく過剰に怯えます。

見どころは終盤。台詞を完全に断ってドアを開けるまでのパントマイムの静寂、そしてそれを切り裂く一発のツッコミ。静と動の落差が最高に気持ちいい一本です。

文字起こし(全文)

335行 / 3,826字—
出演: A=石田明(白の衣装) / B=井上裕介(黒のスーツ・黒のパーカー)
  1. Aどうもー!
  2. Bどうも、よろしくお願いします。
  3. Aお願いしますー。
  4. [拍手]
  5. Bあのさ
  6. Aはいはい。
  7. B一応俺、有名人やんか。
  8. Aああー、いろんな意味でね。
  9. Bどういう意味や。
  10. Aうん。
  11. Bいや、でも有名人ではありえんか。
  12. Aまあまあ、一応テレビとか出てるからな。うん。
  13. Bやろ?だからさ、知らず知らずのうちにさ、
  14. Aはいはいはい。
  15. B周りの人にさ、なんか緊張感を与えてないかなとか思うねん。
  16. A緊張感。
  17. Bまあ、例えば言うたらな、接客するとかなってもさ、
  18. Aはい。
  19. B一般の人には全然緊張せえへんけど、やっぱテレビ出てる有名人やったらちょっと緊張するな、なんてことあるかもしらんやん。
  20. Aほんま、まあまあ。ええ、まあでもそのな、例えばまあ、スターのね、舘ひろしさんとか来たら、そら緊張すると思うで。お前レベルが行ってもその、半笑いになるくらい。
  21. [笑い]
  22. B馬鹿にすんなよ!
  23. Bいや、俺が行ったとしても緊張する人いると思うねんな。
  24. Aああ、そうですかね。緊張しますかねえ。
  25. Bわからへんけどな。
  26. Aいや、わか…じゃあ、ちょっとさ、俺ちょっと今日一般人となって、井上、接客してみるわ。
  27. Bあ、じゃあリアルに接客してよ。
  28. Aリアルに接客する。あ、じゃあ俺、車屋さんやるから、お前試乗しに来て。
  29. B車屋?
  30. Aうん。
  31. Aでは、納車の方お楽しみにお待ちください。ありがとうございましたー。
  32. Bすいません。
  33. Aあ、いらっしゃいませ。はっ!
  34. [笑い]
  35. Bあの、車ほしいんですけど。
  36. A車?
  37. Bはい。
  38. Aく、車を?
  39. Bああ、そうです。
  40. A車が欲しい?
  41. Bはい。
  42. [笑い]
  43. Aえっと、ま、間違ってたらすいません。
  44. Bはい。
  45. Aえっと、NON STYLEの…
  46. Bあ、そうです。
  47. Aあーー!
  48. [笑い]
  49. Aですよね!
  50. Bはい。
  51. Aい、井上、井上さんですよね?
  52. Bあ、井上です、はい。
  53. Aすいません、改めまして、確認させていただきます。
  54. Bはい。
  55. A本日はどういった目的で…
  56. B車を買いに
  57. Aひゃーー!
  58. [笑い]
  59. B揺れてますよ。
  60. Bあの、新しいのにちょっと買い替えようと思って。
  61. Aあー、新しいということは、前の車が駄目になっているという…
  62. [笑い]
  63. Bいや、もう古いんで。
  64. Aあー!
  65. [笑い]
  66. Bもう10年ぐらい乗ったんで、
  67. A10年!
  68. B新しいのに買い替えたいんですよ。
  69. Aあ、そうですか、わかりました。
  70. Aえっと、すいません。
  71. Bはい。
  72. Aえっと、本日、担当させていただきます、あの、申し訳ございません。あの、別に悪気はないんです。あの、本当に、たまたまなんです。
  73. [笑い]
  74. A許してください。
  75. A武智と申します。
  76. [笑い]
  77. Bあ、いや、全然いいですよ。
  78. B別に全然問題ない。
  79. A本当に悪気はないです。偶然担当になりました。武智という姓で生まれただけで申し訳ございません!
  80. [笑い]
  81. Bいや、何も怒ってないんで。
  82. Bだ、大丈夫、よろしくお願いします。
  83. Aよろしくお願いします。
  84. Bはい。
  85. Aえっと、何か、あのお目当ての車とかはありますか?
  86. Bあ、この車がちょっとええなと思って、はい。
  87. Aあ、そうですか、じゃああの、手続きの方をさせていただ…
  88. Bあ、ちょっとでも試乗したいっすよね。
  89. [笑い]
  90. Bやっぱ、乗り心地とか、やっぱね、分かってからちょっと買いたいんで、ちょっと一回試乗させてもらっていいですか?
  91. Aし、試乗というのは?
  92. Bいや、文字通り乗って運転させてもらっていいですか?
  93. A乗る、乗る、乗ると言う…
  94. Bそらもちろん。いや、乗り心地わかんないとやっぱ買えないじゃないですか。
  95. Aかしこまりました。
  96. Bうん。
  97. Aあのですね、
  98. [笑い]
  99. Aあの、別に井上さんだからとか疑っているとか、そういうわけではないので気分を害さないでほしいんですけど、あの免許証のご提示をお願いします。
  100. Bああ、いいすよ、はいどうぞ。
  101. Aあ、あるんだ、免許!
  102. [笑い]
  103. Bいや、車買うねんからあるに決まってるやん。
  104. Aあ、あるんだ。
  105. Bはいはいはい。
  106. Aお預かりいたします。
  107. Bはい、どうぞ。
  108. Aゴールド免許だと…!
  109. [笑い]
  110. Bまあ、そらそうっすよ。
  111. Aこれはどういったことだ!?
  112. [笑い]
  113. Aこれは警察に連絡しないといけないんじゃないか!?
  114. [笑い]
  115. Bいや、そのままでいいですか?
  116. [笑い]
  117. Aすいません、はい。
  118. Bねえ。
  119. A免許証お返しいたします。はい。
  120. Bはいはい。
  121. Aでは、どうぞ。
  122. Bあ、乗っていいすか?
  123. A車にお乗りください、どうぞ。
  124. Bじゃあ失礼します。
  125. Bバタンと。
  126. Bあ、こんな感じか。
  127. Aはい。
  128. Bあ、乗らないすか?横。
  129. [笑い]
  130. Aえ?
  131. Bええ?
  132. Bあの、車の仕様とか教えてほしいんで、細かいこと、ちょっとわかんないこともあるんで、乗って、乗ってください。
  133. A私が乗っていいんですか?
  134. Bああ、もちろん。
  135. Aえ?武智が助手席に乗っていいんですか?
  136. [笑い]
  137. Bいいですよ、別に。
  138. B何の文句もない。
  139. A絶対いいことはないと思うん…
  140. Bいやもう早く、車のことを教えてほしいんで早く乗ってください。
  141. Aかしこまりました。
  142. Bはい。
  143. A少々覚悟の時間をください。
  144. [笑い]
  145. Bなんなん?
  146. Bなんの覚悟それ?
  147. A失礼します。
  148. Bもう、まあいいです、もう。
  149. Bうーん、こんな感じか。
  150. Aどうすればいいんだ…
  151. Aでもやるっきゃない。やるっきゃない。
  152. Aあ、その前に…
  153. [笑い]
  154. Aあ、もしもし?
  155. A母さん、俺だけど。
  156. [笑い]
  157. Aうん、ごめん。なんか急に声が聞きたくなっちゃって。
  158. Aああ、いや、なんでもない、気にしなくて。うん。久しぶり。
  159. [笑い]
  160. Aあの、俺、今、人生の岐路に立たされてるんだ。
  161. [笑い]
  162. Aうん。なんだろう、神様がくれた試練というか。
  163. [笑い]
  164. Aうん。でも、絶対に乗り越えてみせるから。
  165. Aうん。あの、この先さ、
  166. Aどんなことがあるかわかんない、もしかしたら、ネットニュースになるかもしれない。
  167. [笑い]
  168. Aでもこれだけは信じてほしい。
  169. A俺は止めたってこと。
  170. [笑い]
  171. A俺は絶対に何があっても止めるから。ね?
  172. Aああ、今は何かわかんなくても大丈夫。いずれわかることになるから。
  173. [笑い]
  174. Aそれだけは信じてて。うん。ありがとう。じゃあね。
  175. Aよし!
  176. A行くしかない。
  177. A武智さん、待ってください!
  178. [笑い]
  179. A佐々木。
  180. Aどうした?
  181. A本当に乗り込むんですか?
  182. [笑い]
  183. A当たり前だ。
  184. A危険すぎます!
  185. [笑い]
  186. Aそんなことはわかってる。でも、俺が乗り込まないで誰が乗り込むんだ?
  187. Aで、でもそうですけど!
  188. A聞け!
  189. Aこれはな、神様が俺に与えた試練だ。だから俺が、乗り越えないといけないんだ。
  190. Aでも、
  191. A武智さん、
  192. A武智さんが死んじゃう!
  193. [笑い]
  194. A大丈夫だ。死にはしない。でもな、もしも俺の身に何かあったら、お前がこの店、なんとかしてくれ。
  195. A隊長…
  196. [笑い]
  197. Aじゃあ、行ってくる。
  198. [笑い]
  199. Aガチャッ。
  200. Bはよ入れや!
  201. [笑い]
  202. B何を長々長々喋ってんねん、こら!
  203. A思ったより緊張感与えてたわ。
  204. [笑い]
  205. B全然違うわ、もうええわ。
  206. Aありがとうございまーす。
  207. [拍手]
  208. Bさあ、今回のネタは「緊張させてしまう存在」です。
  209. Aはい。
  210. Aなんかね、そのー、僕らも普通にこう、生活してて、そう、なんか出会った人とかが「へえー」みたいな、なるじゃないですか。
  211. Bあるなあ。
  212. A俺コントやと思ってたんですけど、あれほんまに緊張してるらしいですね。
  213. Bいや、そうじゃろ。
  214. Aねえ。だから俺らやっぱピンとこうへんやんか。
  215. Bまあ、こうへんなあ。
  216. Aああ、だから「ああ、実際緊張させてしまってんねんな」っていうのがあって、
  217. Bうん。
  218. Aで、「あ、これ井上が言うの面白いな」と。
  219. Bうん。
  220. Aその、「いや、俺ら緊張させてしまってるやんか」っていうのがまず面白いなっていうのから、こう、入って。じゃあどうしたらいいやろう?と思った。
  221. Bああ、そうか。
  222. A思った以上に緊張させる設定を作ればいいんかと。
  223. Bうーん。
  224. Aみたいな感じで、その車の試乗という。
  225. Bどっちが緊張してると思う?「へえー」っていう人と、
  226. Aうん。
  227. B俺この前あったんやけど、
  228. Aうん。
  229. Bよく行く行きつけの飯屋があって。
  230. Aうん。
  231. Bで、ディレクターと一緒に2人で飯食いに行って、隣のテーブルに女の子2人おって。
  232. Aうん。
  233. Bで、この女の子の1人が北海道から
  234. Aうん。
  235. Bルミネを見に来ると。
  236. Aほうほうほう。
  237. Bで、次の日、その店でご飯食べた次の日にルミネを見に行く予定ですと。
  238. Aへえー。ほうほう。
  239. Bで、NON STYLEを見るために来てて。
  240. Aええー、すごいじゃん。
  241. B結果的にね。
  242. Aおお、おお。
  243. Bで、ディレクターが、まあなんか「この横の人がソワソワしてるから」言うて、
  244. Aうん。
  245. B「井上さんですよ」みたいな。
  246. Aうん。
  247. B「ああ、もちろん」みたいになって。
  248. B「いや、井上さんを見に北海道からちょっと来てて、たまたまご飯屋さんで食べてたら隣に来たんで、もう緊張しすぎて迷惑かけたらあかんと思って、静かにしてました」と。
  249. Aうーん。
  250. Bの緊張と、
  251. Aああー。
  252. B「あっ!うわー!」
  253. [笑い]
  254. Bの緊張、
  255. Aうん。
  256. Bどっちが上やと思う?
  257. Aいや、なんか後者バカにして…
  258. [笑い]
  259. Aお前、今、完全に後者をバカにしてましたよ。
  260. Bしてないしてない、してない。
  261. Bほんで、どっちが上なんやろなと。意外にもう言葉も出えへん方が、恐怖もそうやん。
  262. Aいや、これでも性格ちゃう?
  263. B性格か。
  264. A性格やと思うわ。
  265. Bだから、お化けとかさ、「うわー、お化けやー!」って言える人と、
  266. Aうん。
  267. Bで、何にも言われへん人とかおるやん。
  268. Aうん。
  269. Bこっちの方が俺なんか上なんかなって思っちゃう。
  270. Aいや、これは単純に性格やな。
  271. B性格か。
  272. Aうん。
  273. Bいや、ほんまにその、北海道から来てた子がさ、
  274. Aうん。
  275. Bそれこそファンレター書いてくれて、
  276. Aうん。
  277. Bで、マネージャーから渡されて。
  278. Aうん。
  279. Bで、「あの日、ご飯屋さんで隣になったものです」って。「私にとって本当に人生かけがえのない時間になりました」とか、まあ色々書いてて、読んでて。
  280. Aうん、うん。
  281. Bで、なんか、これも自分勝手な感覚やけど、そんだけ好きやなんだって言うから、なんか最後、LINEのIDとか電話番号とか書いてんのかなと思って。
  282. Aうん。
  283. B住所も何にも一切ない。
  284. Aええー。
  285. Bいや、なんかかっこいいファンやなと思った。もう見返りなんかいりませんと。
  286. Aいや、今LINEのID載せる人なんかいーひんやろ。
  287. Bおるおるおる。
  288. A嘘!
  289. B全然おるよ。
  290. A井上に?
  291. B全然おる、うん。
  292. A井上見たら揉むに?
  293. Bうん、電話番号とか。
  294. A井上の分際で?すごい言うやん。
  295. Bうん、やめようかな、この話。
  296. Aある?
  297. Bあ、あるよ。全然ある。
  298. A嘘ー!
  299. Bうん。
  300. A今の時代やって、あれでしょ?
  301. Aその、もう嵌められてんちゃう、それ?
  302. B嵌められてんのかな。
  303. Aだって今なんかDMで繋がる時代でしょ?
  304. Bいやいや、まあでもやっぱDMでなかなか送るのもっていうのもあるやんか。インスタのDMとかブロックしてる人もおるし、
  305. B俺もこれ解放してるけど、
  306. Aええーー。
  307. Bうん。
  308. B基本、芸能人送れない仕様にしてる人多いからな。
  309. Aまあまあまあ。
  310. B相互フォローじゃないと。
  311. Aまあまあ、でもコメントはできるわけじゃないですか。
  312. Bコメントなんか見いひんやんか。
  313. Bぶっちゃけ。
  314. Aいや、僕見たりしてますよ。
  315. A僕は好きで見てます。
  316. Aすいません。
  317. A僕が、僕がほら、
  318. Bうん。
  319. Aね、あの、あんまりスマホ触る用事がないんで、スマホ見た時はそういうのしか見れない、僕はね。
  320. Bうん。
  321. Aはい、あ、いろんなことやってますもんね。
  322. Bうん。
  323. Aはい。
  324. Bなんかすごい緊張させてんで。
  325. Aえ?
  326. Bなんか、それが?
  327. Aうん。あなたが?
  328. Bうん、ワード、ワードごとに。気をつけてや。
  329. Aあ、そうですか、すいませんな。
  330. Bうん。なんか、でも一応あの、正式に言っときますね。
  331. Aはい。
  332. Bごめんなさい。
  333. [笑い]
  334. Bはい、いいね、チャンネル登録お待ちしております。また次回お会いしましょう。さようなら。
  335. Aさようならー。

分析

測定データ

項目値
尺11:06
発話文字数3,826 字 / 227 行
話速352.1 字/分
笑いの回数39 回(3.51 回/分)
初笑い0:38
笑いの間隔中央値 9 秒 / 最長 134 秒
笑いの配置(序/中/終)20 / 16 / 3
発話の内訳石田 53% / 井上 47%(交代 226 回)
繰り返しフレーズ「緊張させてし」×3、「お願いします」×3 ほか

数字の読み

このネタのいちばん面白いところは、笑いの配置の偏りに表れています。39回の笑いのうち20回が序盤に集中し、終盤はわずか3回。しかも最長の笑い間隔は134秒——つまり2分以上笑いが途切れる時間帯があるのです。

その「空白」こそが、このネタの仕掛けです。終盤6:10以降、店員は台詞を完全に断ち、足音とドアの「ガチャッ」だけで試乗への恐怖を演じるパントマイム区間に入ります。観客は笑うのをやめて、静寂の中で緊張だけを背負わされる。そしてそのタメを「はよ入れぇ!」の一閃が切り裂く——最大の爆笑は、笑いを捨てた時間の対価として返ってくるのです。

序盤の20回は、逆に「緊張させてし」というフレーズを軸に、免許確認→母への遺言電話と小出しにボケを積み上げる高速回転の部分。話速352.1字/分、話者交代226回という数字は、ほぼ対等に喋りながら温度差だけで笑わせる「コント漫才」ならではの密度を示しています。

「日常の小さな要求を、命懸けの任務に肥大化させる」。そのスケールの加速と、最後の静寂の落差。数字が完璧に構造を裏切らなかった、気持ちのいい一本でした。

出典・測定元

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